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フレッシュなターメリックは歯ごたえがよく、ショウガのようなシトラスの香りと心地良い土っぽい香りがします。
乾燥したターメリックは、フローラルなシトラスとショウガの香り、複雑で濃い木のような香りが混ざり合っています。
ターメリックの歴史
ターメリックは東インド原産と言われ、紀元前から栽培されてきました。インドでは料理のほかにアーユルヴェーダにも使われています。
また、インド最古の医学であるシッダ医学でも生薬として使われていたそうです。
日本には中国から琉球へ16世紀頃の室町時代、現在の沖縄がまだ琉球王国だったころに伝わったと言われています。当時の琉球では、王朝専売品として高貴薬や着物の染料、食品の着色料として使用されていた貴重品で、民間での栽培は許されていなかったそうです。その後1609年に琉球王朝が薩摩藩の支配下に入り、染料や生薬として日本各地に広まっていきました。
現在、ターメリックは中国、タイ、インドネシアでも栽培されていますが、最も多く栽培しているにはインドです。年間生産量は約35万tにものぼるそうです。
日本でも鹿児島や沖縄で生産されていて、沖縄は日本最大の生産地です。
ターメリックの薬膳効果
ターメリックには様々な薬膳効果がありますのでいくつかご紹介していきます。
①肝機能向上・胆汁の分泌促進
日本ではウコンという呼び方がなじみ深いかと思いますが、ドリンク剤やサプリメントでコンビニ等でも売られていますよね。お酒を飲む前などに飲まれている方も多いかと思います。
ターメリックは一般的に肝機能向上効果と胆汁分泌促進効果が知られています。肝臓は、非常に重要な役割を持っている臓器です。特にアルコール分解の能力が知られています。「沈黙の臓器」とも言われており、損傷などがあった場合でも症状として現れにくいのが特徴です。症状として現れたころには非常に悪化している場合が多くあります。
胆汁とは、肝臓で生成されるアルカリ性の液体のことを言います。食品の消化、吸収に役立ちます。
ターメリックを摂取することにより、胆汁の分泌が促進され、肝臓の解毒作用が高まり、結果的に肝機能向上に繋がっていると考えられています。
②食欲増進効果
ターメリックには胃の働きを活発にすることで食欲を増進させる効果もあると言われています。また、胃液分泌を高め、胃粘膜を保護する働きもあると言われています。
③血流改善効果
ターメリックは抗酸化作用を持つため、血中の悪玉(LDL)コレステロールの酸化を防ぎ、コレステロール値を下げ、血流を改善する効果があります。
④脳機能活性化
ターメリックに含まれる「クルクミン」には脳を健康に保つ効果が期待できます。
ターメリックをスパイスとして使用する料理のひとつに「カレー」があります。カレーを用いた最近の研究で、カレーを食べることで脳の一部が活性化され、IQが「7」あがったという結果が報告されたそうです。被験者にカレーとコントロール食をそれぞれ摂取させた後にテストを行った結果、脳が活性化され、試験の課題をたくさん解くことが出来るようになったという報告もあります。
また、その他の近年の研究では、クルクミンはいろいろな病気の原因となる、たんぱく質の蓄積を予防し、アルツハイマー病の予防にも役立つのではという報告もあるそうです。
いろいろ凄い効果があるのですが、実は食品として摂取するだけでは、期待通りの効果を求めるのは難しいみたいなのです。先ほどから登場しております、クルクミンは濃縮したものでの結果なのです。ですので、サプリやドリンクなども含め、気長に、そして継続的に摂取することをお勧めします。
ターメリックの調理方法・保存方法etc.
ターメリックは他のスパイスとのバランスをとる役割があり、さまざまなスパイスミックスで活躍します。
東南アジアではフレッシュなターメリックを使います。
料理に入れるときは細かく刻むか、すりおろしてラクサやシチュー、野菜料理などに。インドネシアやマレーシアの祝いのときは抽出した汁を米に香りや色をつけるのに使われます。
インドではほかのスパイスと組み合わせてマサラやカレーパウダーとなり野菜や豆料理に温かみのある香りと色をつけます。
欧米ではチーズ、マーガリン、マスタード用の染料として使われます。
フレッシュなターメリックは野菜室で2週間ほど、冷凍でも保存可能です。
乾燥したターメリックは密閉容器で2年以上保存することが出来ます。
粉末のターメリックの最高品質と言われるのは、アレッピー産やマドラス産というのが定説です。粉末は密閉容器で1年ほど香りがもちます。
最後に
今回ご紹介したターメリック。いかがでしたでしょうか。
古来より染料や薬として重宝されてきたターメリック。現在では食品としてはもちろん、地域性豊かな冠婚葬祭などの儀式でも活躍しています。
最も安価なスパイスのひとつでもありますので、興味が湧いた方は、ぜひ試してみてください。
次回はスパイスの女王といわれるグリーンカルダモンのご紹介です。
楽しみにお待ちください。