スパイス・ハーブの薬膳効果 コショウ編

世界4大スパイス① コショウ

ブラックペッパーは温かみがあって、木やレモンのような香りと鼻にツンとくる香りが複雑にからみあっています。

ブラックペッパーを生産するには、未熟なグリーンペッパーを収穫して、短期間発酵させてから乾燥させます。
実のしわはこの時にできるんです。
最も品質の良いコショウはインド南西部・ケララ州にあるマラバール海岸のワイナード区産の物と言われています。

コショウの歴史

原産地はインドです。
古くからインドの主要な輸出品であり、世界各地との交易に用いられていました。
インドのコショウの実やロングペッパーは、少なくとも3000年前にヨーロッパにもたらされました。その貿易路はとても重要だったために、各国で貿易路をめぐり争いが絶え間なく続きました。
原産地のインドから何人もの商人の手を経てヨーロッパにたどり着いたころには、銀貨一枚とコショウ一粒が同じ価値として扱われるまでに貴重なものとなっていたんだとか。
日本でも奈良時代ごろにはコショウが伝来しており、生薬として用いられていました。平安時代になると、調味料として使われだしたそうです。
唐辛子が輸入されるまでの間、うどんなどにも用いられていました。
世界各地で栽培されていますが、現在ではベトナムやインドネシアがインドの生産量を上回っているようです。

コショウの薬膳効果

昔から薬として使われてきたコショウ。
様々なよい効果があるようで、そちらをいくつかご紹介していきます。
発汗作用
コショウに含まれているピペリンには、交感神経を刺激して血管を広げ血流を良くする働きがあります。発汗作用やエネルギー代謝効率の向上にもつながります。また、鉄分も含まれているので、貧血や冷え性にも効果があるそうです。
殺菌作用
ピペリンという成分の効果に殺菌効果があります。昔は冷蔵技術が発達していなかったので、食べ物を長持ちさせるために殺菌・防腐剤として重宝されていたそうです。ピペリンの殺菌作用は体内からも細菌を排出する働きがあることもわかっています。ピペリンには、脳内物質であるセロトニンやエンドルフィンを増やす効果もあり、ストレスを緩和させ落ち着いた気持にさせてくれます。
また、ピペリンにはもう一つ大きな作用がありまして、それは消化機能の向上や食欲増進なんです。消化機能が高まると、摂取した栄養を効率的に吸収することができます。栄養の吸収率が上がると、栄養素自体がもつ効能も高まるので、より健康効果に期待できるのです。
ダイエット効果
ピペリンの血行改善の効能は、代謝効率の向上につながるため、体内の脂肪が燃焼されやすい状態になります。脂肪の蓄積を抑える効果があるので、ダイエットに効果的な成分といえます。
更にピペリンには抗酸化作用もありますので、肌の老化を防ぎ、酸化を抑えてくれるのでアンチエイジングにも効果的と言えます。

このように、メリットだらけのコショウの薬膳効果ですが、過剰に摂取してしまうと腹痛がおきるなどのデメリットもございます。一日の摂取目安は小さじ一杯ほどとされていますので、くれぐれも摂りすぎには気をつけましょう!

コショウの調理方法・保存方法etc.

コショウ自体は甘くも辛くもないのですが、刺激の強い香りがあります。なのでピリッとした料理に使われることが多いのですが、甘いパンやケーキなどにもアクセントとして使われることがあります。
世界中の食品に使われ、ドレッシングやソースの香りづけ、砕いてマリネ液に加えたりもします。挽いたコショウは魚や肉にすり込んだりします。

挽いて粉にすると香りと風味が急激になくなるので、丸のまま購入して必要に応じてミルで挽くのがおすすめです。密閉容器であれば1年ほど保存できます

最後に

今回第1回目となりましたスパイス・生薬のご紹介。いかがでしたでしょうか?
普段からなじみのあるコショウでしたので、ご存じの内容も多かったかな…とは思いますが、これからも、少しでも皆さんのお役に立てるような内容を目指し頑張ります!
次回は4大スパイスの1つ「ナツメグ」を紹介させていただきます。