スパイス・ハーブの薬膳効果 ナツメグ編

世界4大スパイス② ナツメグ

ナツメグは芳酵でフレッシュな温かみのある香りが特徴です。
クローブのような風味に加え、より深くほろ苦い風味をあわせもっています。

実が熟すと収穫し、外側の皮、果肉、種衣(メース)を取り除きます。残った種を乾燥させ殻を割り取り出したものがナツメグとなります。

ナツメグの歴史

スパイスアイランドと呼ばれるインドネシアのモルッカ諸島にあるバンダ島原産の常緑樹の実からとれるスパイスです。この実からは二つのスパイスがとれるのですが、今回はナツメグご紹介です。
ナツメグをヨーロッパに持ち込んだのは冒険家のマゼランと言われています。世界周遊の大航海中だったマゼラン率いる船団が上で紹介したモルッカ諸島に到着しました。(実はこの時マゼランは途中で戦死しています)ここでたくさんのスパイスを船に積んでスペイン王のもとに届けたのが最初なんだそうです。
その時代はスパイスにものすごい価値がありましたので、莫大な利益を生み出したんだとか…
現在でも、インドネシアが生産国1位です。2位がグレナダで、この二つでほとんどのシェアを占めています。

ナツメグの薬膳効果

ナツメグには様々な効能がありますので。いくつかご紹介させていただきます。
不眠症改善
ナツメグは、眠りを促進するために重要な役割をもつセロトニンという物質の生産を増やす効果があります。また、酵素の分泌を抑えるミリスチシンという成分が含まれているので、より眠りを促進しやすいのです。
消化促進
ミリスチシンは腸の調子を整えます。また、胃の調子を整える効果があるピネンという成分も豊富に含まれています。
ピネンが胃の粘膜を保護しながら消化をサポートし、ミリスチシンが腸内にたまったガスや老廃物をお願い致します。排出するサポートをすることで便秘や下痢の改善にさようして、腸内環境を整えるのだそうです。
食欲増進
先ほど紹介したミリスチシンは、整腸作用だけではなく、夏バテなどで体調がすぐれないときなどに効果を発揮して、食欲を増進させると言われています。
鎮痛効果
中国では古来より鎮痛剤として用いられていました。ナツメグに含まれるオイゲノールという成分には鎮痛作用があり、関節や肌肉の痛み・歯痛などの炎症による痛み・腹痛などにも効果があるそうです。

ここまでメリットばかりをご紹介してきましたが、もちろん摂りすぎるとデメリットもあります。
料理に少量使用する程度なら問題ないのですが、間違って大量摂取してしまうと、幻覚作用・頭痛・吐き気・痙攣・めまいなどの中毒症状を引き起こす危険性があると言われています。
また、昔は堕胎薬として使われていたということもあるので、妊娠中の方は量にかかわらず、避けることをおすすめいたします。
デメリットについて聞くとちょっと怖いかもしれませんが、摂取量さえ守っていれば嬉しい効果がたくさんありますので、ぜひ上手に活用してください。

ナツメグの調理方法・保存方法etc.

中東では古くから羊料理に使われていました。アフリカではミックススパイスに使用されています。
ヨーロッパでは、もっと日常的に甘い料理にも使用します。ケーキをはじめ、フルーツのデザートにも使われています。その他にはシチューや卵料理、チーズ料理なんかにも良く合います。

ナツメグは、丸のまま密閉容器に入れれば、ほぼ無期限に保存できます。ただし、粉末にしてしまうと香りがすぐになくなってしまいます。
なのでお手間だとは思いますが、是非、丸のままお買い求めいただき、使う分だけを挽いたりおろしたりしてお使いください。

最後に

今回コショウに引き続き、世界4大スパイスと呼ばれるナツメグのご紹介いかがでしたでしょうか?
幻覚作用や痙攣なんて聞くと少し怖いですけれど、容量さえ気をつければ全く問題ありませんのでご安心ください。

次回は世界4大スパイスシリーズ第3弾「クローブ」のご紹介です。