スパイス・ハーブの薬膳効果 クミン編

カレーのスパイスの代表格 クミン

クミンの香りは強く重たくて、スパイシーで甘味があります。味は苦みの中に温かい深みがあります。ほのかに苦く、濃厚な風味があり、後を引く辛みとシャープな土っぽさも感じます。
冬になって種が茶色に変わる前に、クミンの茎を切り、脱穀して種を天日で乾燥ます。多くの国で、まだ手作業で収穫が行われています。

クミンの歴史

クミンの歴史はとても古く、紀元前16世紀の古代エジプトの医学書に記述があるんです。それは、エーベルス・パピルスと呼ばれるもので、神官文字で書かれていたそうです。
その中に、お腹の病気を治す薬の材料として使われていたんだとか。また、ミイラの防腐剤にも使われていたんですよ。
他にも古代ギリシャや古代ローマでは、家庭用のスパイスとして用いられていたそうです。

クミンの薬膳効果

クミンは実は健康・美容効果に優れたスパイスなのです。それでは、いくつかご紹介していきます。
消化促進
クミンの抽出物には消化を促進する効果があります。消化酵素を増加させてスムーズな消化を促します。
免疫力アップ
クミンに含まれているビタミンAには粘膜を健康に保つ働きがあります。粘膜は外から入ってくるウイルスを体内に入れないようにする役割があるので、粘膜が健康であるとウイルスから体を守る免疫力を上げることが出来ます。
抗酸化作用
老化の原因は、体内で活性酸素が発生し、細胞が傷つけられ、酸化することにあります。しかし、クミンに含まれるテルペン、フェノール、フラボノイド、ビタミンEという抗酸化作用のある成分が酸化を防いで老化を抑制してくれます。
ダイエット効果

クミンには植物ステロールが含まれており、植物ステロールには悪玉コレステロール値を下げて善玉コレステロール値を上げる効果と中性脂肪を減少させる効果があります。
悪玉コレステロール値が過剰に高くなると生活習慣病のリスクが高まるので、クミンはダイエットだけではなく、健康に良いことになります。


まだまだご紹介しきれないほど素晴らしい効果があるのですが、もちろんデメリットもあります。
クミンはせり科のアレルギーのある方は摂取しないようにしましょう。副作用が出てしまうと蕁麻疹や喉のかゆみ、呼吸困難になる恐れもあるんです。
また、クミンは辛みの強いスパイスなので、妊娠中の方など胃に刺激があると危険な方は摂取しないようにしましょう。

クミンの調理方法・保存方法etc.

クミンを挽いて粉にする前に種をローストするか、油で揚げると、クミンの香りが強くなります。
現在、クミンは世界中で実に様々な料理に応用されています。モロッコのクスクスや子羊のシチュー、テキサス・メキシコのチリコンカルネなどは有名ですよね。その他ヨーロッパでも大活躍で、ポルトガルでは豚のソーセージに、オランダではチーズに、ドイツではキャベツのピクルスに、フランスのアルザス地方ではプレッツェルに使います。
この他、スパイシーな食べ物が好まれるあらゆる国々で使われています。

クミンは丸のままでも、挽いて粉末状にしたものでも、どちらも容易に手に入ります。密閉容器に入れて数か月は辛みをキープしたまま保存できますが、他のスパイスと比べて、挽いてしまうと傷みが早いのでお気をつけください。

最後に

今回ご紹介したクミン。いかがでしたでしょうか。
古くから世界中で人気の高いクミン。一振りでエスニック料理のテイストに早変わりします。
是非、いろいろな料理に試してみて下さい。

次回は最も幅広く愛用されています「コリアンダー」です。楽しみにお待ちください。