スパイス・ハーブの薬膳効果 クローブ編

クローブはコショウとカンファーに似た香りがあり、温かみを感じられます。味はフルーティーなのですが口に入れると、しびれるような感覚があります。
クローブの蕾は年二回小さな房で顔を出します。開花前には摘み取られ天日干しにされます。

クローブの歴史

ナツメグの回にも登場したスパイスアイランド・モルッカ諸島原産の常緑低木の蕾を乾燥させたもので、紀元前から各地で利用されていたようで、インド古代医術アーユルヴェーダでも使われていました。
ヨーロッパにも2世紀頃には伝わり始めたのですが、価値としては、大航海時代に飛躍的にたかまったそうです。
それまで、生産地がよくわからなかったらしいのですが、ポルトガル人によって特定され管理されていたようです。
その後生産管理はオランダの手に移り、18世紀になるとフランスの手によって各地で大農園が開かれるようになったそうです。
当時のスパイスは、各国が奪い合い、競い合って生産するほど効果で貴重なものだったのですね。

クローブの薬膳効果

クローブには様々な薬膳効果がありますので、いくつかご紹介していきます。
抗酸化作用
クローブに含まれるオイゲノールという成分には、抗酸化作用があることが確認されています。活性酸素を取り除き、効力を失わせたりします。
活性酸素自体は、ウイルスを攻撃したりといった効果もあるのですが、増えすぎてしまうと細胞自身にも攻撃してしまい、細部本来の機能が失われてしまい生活習慣病につながると言われています。
消化促進
クローブには消化機能を促進する作用があります。アーユルヴェーダでは身体を温める効果があるとして使われておりますし、漢方でも身体の中を温め、気を下す働きがあるとされ冷えが原因の腹痛や、食欲増進などに用いられています。
鎮痛・抗菌効果
クローブには強力な心痛効果と抗菌作用があります。そのため、局所麻酔にも用いられるなど医学的にも重宝されています
また、虫歯からくる歯痛は本当に耐えがたいものですが、そんなときもクローブがその痛みを和らげてくれるともいわれています。

このほかにも様々な薬膳効果が期待できるクローブ。薬なんかにも使われるなんて言うと副作用があるのでは?なんて心配なさる方がいらっしゃるかと思いますが、ご安心ください!クローブには副作用らしい副作用はありません。
ただし、クローブは非常に強い効果があるスパイスです。使いすぎると目的以上の働きをすることも考えれるので、くれぐれも食べ過ぎにはお気をつけください。

クローブの調理方法・保存方法etc.

クローブは世界中のさまざまな料理に使われていて、その中でも甘いデザートや、辛口の料理に特に合います。
焼き菓子やジャムなどには、ほとんどの地域で使われていると言われています。
また、当店でも使用しておりますが、ヨーロッパではピクルスのスパイスとしてもよく使われていますし玉ねぎの中に丸ごと差し込んで、シチューの香りつけなんかにも使われます
アジアの大半ではカレーパウダーの中に必ずと言っていいほど使われていて、インドのガラムマサラにも欠かせない存在です。

密閉した瓶などでは一年ほど保存可能です。引き立てが一番香りが良いのですが、クローブはとても固いので電動のグラインダーなどでないと大変です。
粉末で購入される場合は、なるべく濃い色のものがおすすめです。色の薄いものですと、揮発性オイルが少ない茎の部分を使用している可能性が高いです。

最後に

クレオパトラも愛したと言われる世界4大スパイスの1つクローブのご紹介いかがでしたか?こんなに良い効果がたくさんあるのに副作用もないなんてほんとに素晴らしいスパイスですよね。ぜひ、上手にお料理に取り入れてみて下さい。

次回は世界4大スパイスシリーズ最後の1つ「シナモン」です。楽しみにお待ちください。