スパイス・ハーブの薬膳効果 グリーンカルダモン編

スパイスの女王 グリーンカルダモン

カルダモンは強い香りを放ちますが、まろやかでフルーティーな突き抜けた感じがします。
味はカンファーやユーカリの香りが含まれ、レモンのようです。温かみのある甘酸っぱい風味があり、刺激があってスモーキーですが、清涼感もあります。
実は9月から12月に熟し、熟しているものから収穫します。

グリーンカルダモンの歴史

高値で取引されてきたこと、その爽やかで上品な、香りから「スパイスの女王」と呼ばれています。
グリーンカルダモンの歴史は実に古く、紀元前から生薬や香辛料として使われてきました。インドでは昔から薬用とされ、古代エジプトでは「聖なる香煙」として神殿でも使われてきました。チグリス河、ユーフラテス河地域にあったバビロニア王国のバラダン2世(紀元前8世紀末)の庭園でも、カルダモンが栽培されていたそうです。
また、北欧地域でも昔から愛好されてきました。その歴史はバイキング時代(8~10世紀)にまでさかのぼります。ヨーロッパ沿岸のみならず、東方ロシアにも侵入したバイキングは、ロシアを経由してコンスタンティノープル(トルコのイスタンブール)を襲撃。この都で手に入れたカルダモンを母国に持ち帰り、スパイスとしての調理法を伝えたことが今尚盛んにりようされるにいたったきっかけだと考えられています。

グリーンカルダモンの薬膳効果

グリーンカルダモンには様々な薬膳効果がありますのでいくつかご紹介していきます。
整腸作用
カルダモンにはテルピニルアセテートという胃液や粘膜の分泌を促進して消化を助ける働きのある成分が含まれいます。胃液や粘膜が分泌されて粘膜が鎮静されると胃のむかつきや胃酸の過剰分泌を抑えることができます。
また、消化器官の不調や町内に溜まったガスを取り除いて消化を促進することで胃腸のトラブルを改善してくれます。さらに、カルダモンには芳香性健胃があります。これは生薬が持つ香りで胃腸の働きを正常化させる作用のことです。そのため、食欲がないというときや胃もたれしているときはカルダモンがおすすめです。
消臭効果
カルダモンにはシオネールという消臭効果のある成分が含まれています。シオネールは口臭ケアアイテム、衣類の消臭スプレーにも使われている成分です。
ニンニクを食べた後にカルダモンを噛むと口臭を予防することができます。
発汗作用
カルダモンは血行を良くして発汗を促す効果があります。汗をかくことでデトックスやダイエット効果が期待できます。
汗をかくと体温を下げることができるので、風邪の引きはじめにも効果的です。一方で、寒いときには血行を良くして体を温める効果もありますので、様々な気温に効果がある興味深いスパイスなんです。

 

グリーンカルダモンの調理方法・保存方法etc.

カルダモンは甘い風味と辛い風味を併せ持っています。インドでは多くのスパイスミックスに欠かせない材料の1つです。料理だけではなく、消化や口臭を消すための噛みたばこにも使われます。
インドではよくフレーバーティーに使われるのですが、アラブの諸国ではコーヒーポットの注ぎ口からカルダモンを入れて風味づけします。
アラブ系の遊牧民の文化では、カルダモンを使用した飲み物は、最初に客人に尊敬の印を表すもてなしだと言われています。
ドイツやロシアでは、スパイスの効いたケーキやペイストリー、パンなどに使われます。

莢は密閉容器では1年以上保存できますが、香りも色も薄くなっていきます。すりつぶした種はもっと早く失ってしまします。また、市販のカルダモンの粉末は混ぜ物をされやすく、たいていどんな場合でも殻を含むため、自分で挽いたほうがいいと思います。

最後に

今回ご紹介したグリーンカルダモン。いかがでしたでしょうか。似たようなスパイスでブラックカルダモンというのがありますので、お買い求めになる際はお気をつけください。
香りも風味も全く違うのでビックリされる思います。
次回はカレーに用いられるスパイスの代表格「クミン」のご紹介です。楽しみにお待ちください。