スパイス・ハーブの薬膳効果 ローリエ編

ローリエ

ローリエはフランス語で、英語ではローレルまたはベイリーフ、和名では月桂樹と呼ばれています。
東地中海地域の原産ですが、北ヨーロッパやアメリカで長い間栽培されてきました。
ローリエはナツメグや冷たい渋みを持ったバルサミコのような香りが魅力的です。

ローリエの歴史

ローリエは古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されていたとされています。
ギリシャ神話にも登場しており、古代オリンピックでは、勝者にローリエを編み込んだ王冠が与えられ、その名残は現在も受け継がれています。(今のオリンピックではローリエではなくオリーブが使われているそうです。)
この光沢のある非常に固い葉のリースは、ギリシャ人やローマ人にとって、王、詩人、オリンピックチャンピオン、戦勝した将官などの、英知と名誉の象徴になりました。
日本には、明治時代に日露戦争の戦勝記念にと、フランスから輸入した月桂樹を植樹したことから広まりました。

ローリエの薬膳効果

ローリエには様々な薬膳効果がありますので、いくつかご紹介していきます。
消化促進
ローリエの葉の主成分であるシネオールは、消化を促進させる効果があります。また、弱った胃腸や肝臓、腎臓の働きを活発にする効果もあります。
シオネールには血の巡りを良くする働きもあり、冷え性や肌トラブル、婦人系の病気の改善が期待できます。
炎症を抑える
ローリエの葉に含まれるピネンやサピネンには炎症や痛みをやわらげる効果があります。これにより、リウマチや関節痛、神経痛などの痛みを緩和するハーブとして古くから利用されていました。
防虫効果
この他にも、ローリエの葉には防虫効果もあり、置いておくと嫌な虫を寄せ付けません。米びつなどに虫が発生したときなどにも葉を入れておくだけで虫除けができます。
抗酸化作用
オイゲノールという香り成分には、強力な抗酸化作用が期待できます。活性酸素の発生を抑えて、細胞を修復して、免疫力を高めます。免疫力が高まることで、動脈硬化など体の様々なトラブルを予防できます。

 

ローリエの調理方法・保存方法etc.

ローリエの風味はゆっくりと浸透していくので、スープストックをはじめ、スープ、シチュー、ソース、マリネ、そしてピクルスに向いています。
ローリエはブーケガルニの必須材料で、フランス料理でおなじみのベシャメルソースにほどよい香りをつけます。豆やトマトなどはもちろんトマトソースの香りづけにもピッタリです。
トルコでは子羊料理、モロッコでは鶏や子羊のタジンに、フランスでは煮込み用の牛肉と一緒に使うなど、地域によって個性的な使い方があります。
また、煮たフルーツやカスタードプディングに、爽やかで心地いい独特のスパイシーなフレグランスを与えます。

密閉容器で保存すれば乾燥した葉の香りや風味は、少なくとも一年は持ちますが、時間のたった生の葉には風味はありません。

最後に

今回ご紹介したローリエ。いかがでしたでしょうか。
どんな煮込み料理にも独特な爽やかな香りと風味を与えてくれるローリエですが、くれぐれも煮込みすぎにはご注意を。苦みが出てきてしまうので、ひと煮込みしたら取り出すのを忘れずにしてください。

次回は「レモングラス」です。
楽しみにお待ちください。