スパイス・ハーブの薬膳効果 フェヌグリーク編

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フレッシュな葉は草っぽく、渋い味わいの中にかすかな刺激があります。一方、乾燥した葉は干し草のいい香りが持ち味。生の種には独特の香りがあります。
フェヌグリークはたっぷりと日が当たる肥えた土で育ち、葉と種の両方を収穫します。

2. フェヌグリークの歴史

フェヌグリークも古くからスパイスやハーブとして使われてきました。このページでも何度かご紹介してます古代エジプトの医学書「エーベルス・パピルス」にも登場しています。

【画像出展:エーベルス・パピルスの癌治療に関する記述|Wikipedia

古代エジプトでは、防腐剤や料理のスパイスとしても使われていましたし、古代ギリシャやローマでは、家畜の飼料としても使われていました。
またその薬効も知られていたようで、エジプトでは解熱剤として、ギリシャでは頭の回転を良くする薬としても使われていたそうです。
その後ヨーロッパでは、フランク王国のカール大帝のハーブ園で栽培されていたという記憶が残っています。
また、インドでは「メティ」と呼ばれ、かなり古くから栽培されていたようで、アーユルヴェーダにも用いられています。
日本には江戸時代に中国から伝わったと言われていますが、普及はしませんでした。
ちなみに、日本名は「ころは」と呼んでいます。

3. フェヌグリークの薬膳効果

フェヌグリークにはいくつもの薬膳効果がありますので、いくつかご紹介していきます。

胃腸の調子を整える

フェヌグリークは古くから胃腸の調子を整えるとして、ヨーロッパやインド、中国などで薬草として使われてきました。現在でも、食欲不振、胃の不快感、便秘、胃の膨満感などを改善する効果があるとされ広く利用されています。

生活習慣病の予防

フェヌグリークには、血糖値やコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあり、糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞といった生活習慣病の予防に効果的です。

脳機能の改善

フェヌグリークに含まれるコリン、ジオスゲニン、トリゴネンといった成分は、脳細胞を活性化し、脳の老化を予防する働きがあり、認知症やアルツハイマー病などの予防や改善に効果があると言われています。

ダイエット効果

フェヌグリークに含まれるコリンは必須栄養素のひとつで、脂質の代謝を促進する働きがあります。これにより、体内での脂肪蓄積が抑制され肥満防止につながるとして、ダイエット効果が期待されています。

他のスパイス同様、フェヌグリークにも副作用が起こる可能性があります。通常の食品としての利用は安全とされていますが、サプリメントなどでの過剰摂取により、下記の症状がみられる場合があります。

起こりうる副作用

下痢、胃の不快感、腹部の膨満感、ガス、尿のメープル臭、鼻づまり、咳、喘息、顔の腫れアレルギー反応、低血糖
※特に糖尿病の方は低血糖症にならないように気を付けてください。

4. フェヌグリークの調理方法・保存方法etc.

インドカレーに使用されるスパイスは数多くありますが、その中でもフェヌグリークは欠かせないスパイスの1つです。ローストして甘味を引き出し、固い殻を挽いて滑らかな口当たりにしたパウダーは、日本のカレー粉の原料としても重要な存在です。

また、プロテインやミネラル、ビタミンが豊富なフェヌグリークは、インドのベジタリアンに愛用されています。フレッシュな葉は野菜として広く利用し、ジャガイモや米などと一緒に調理します。また、ナンやチャパティの生地にも加えたりします。

【画像出展:フライパンで作るフェヌグリークの葉カスリメティの丸いナン

乾燥した葉はソースやグレイビーの香りづけに使用され、種はインドのピクルスやチャツネに使われ、南インドではダールと魚のカレーに多く使われます。

【画像出展:フィッシュカレー ナイル 善己シェフのレシピ | シェフごはん

種をサッとドライローストするか炒めると、まろやかな香りとナッツやメープルシロップのような味が生まれます。しかし、長時間加熱をしてしまいますと苦みが強くなってしまいますので、ローストしたらすぐに使いましょう。

5. 最後に

今回ご紹介したフェヌグリーク。いかがでしょうか。日本ではあまり馴染みのないスパイスですが、手に入れましたらぜひともカレーに加えて召し上がってみてください。特にフィッシュカレーに合うと思います。

次回は「ローリエ」です。
楽しみにお待ちください。