スパイスカレーのグルテンフリーと油について

日々、当店のカレーをもっと美味しくするにはどうしたら良いのか色々と考えていまして、色々と調べたり、美味しいカレー店を食べ歩いたりしているのですが、最近思うことがあります。

スパイスカレーにおける「グルテンフリー」アピールについては、そろそろ当たり前になってきてますね。

小麦粉を使うのは欧風カレーだけ?

もちろん、ココ壱番屋とか、C&Cカレーなどの大手チェーンのカレー店や、欧風カレー店は別です。カレーの種類として小麦粉を使うレシピであるからです。

僕が感じているのは、本格的なスパイスと野菜、肉から作る、スパイスカレー店においては、みんな小麦粉は使っていないということです。インドカレーだって、タイカレーだって小麦粉使わないし、北海道のスープカレーも使いません。小麦粉を使っているのは、日本の欧風カレーだけだと思います。

念のため確認しておきますが、この「欧風カレー」って「欧」が付くからヨーロッパのカレーだと勘違いしている方がいるかもしれません。「欧風カレー」は日本のカレーです。ルーがどろっとした昔ながらの日本のカレーを「欧風カレー」と呼んでいます。欧風カレーはカレーが日本に伝えられてから、より日本人の口に合うように改良されて作られたものだと言われています。

スパイス、玉ねぎ、ブイヨンなどを煮込んで、小麦粉でとろみをつけたカレーが当時レストランで高級料理として提供されていたそうです。その後、カレー粉や固形カレールーが販売されるようになり家庭でもカレーが一般的な料理として普及したと言われています。

日本全国スパイスカレーが増えてきている

話を戻しまして、なぜ僕がグルテンフリーが当たり前になりつつあるかと思ったかというと、ここ数年で日本中に小麦粉や固形ルーを使わず、スパイスと野菜から作る本格的なスパイスカレー店が増え続けていてて、しかも美味しいのです。この美味しさを知った方々は、これまでのチェーンのカレー店よりも、本格スパイスカレー店を選択するようになっていると思います。自分もまさにその一人です。

当店でも、小麦粉を使わない代わりに大量の玉ねぎ、トマトを使っています。スパイスカレーはお店によって材料も異なると思います。玉ねぎ、トマト以外の野菜を使うお店もあると思います。

そもそもグルテンフリーって何が良いのか?

今更ですが、なぜ「グルテンフリー」にこだわるのか?

日本では、まだまだアピールするお店は少ないですが、ニューヨークではわざわざお店の外の看板にまで「うちのお菓子はグルテンフリーです!」とか掲示してアピールしているほどです。どうしてグルテンフリーの需要がこんなに高まっているのでしょう?

理由はいくつかあると思いますが、まず1つは「小麦アレルギー」の人が近年結構増えてきていて、小麦粉を使った料理が食べれないからです。小麦アレルギーになってしまうと、食べれる料理がかなり限定されてしまいます。これはかなり辛いですよね。そのような方の需要としてグルテンフリーが求められています。

もう1つは「疾患のリスク」があるからです。
疾患のリスクに関しては、かなり専門的な話になってくるので、詳しい情報を知りたい方は↓こちら↓の記事をご覧ください。

小麦粉は脳や体に悪く危険と言われる理由!グルテンフリーの食生活で健康になる?

個人的には、グルテンによる「疾患のリスク」も怖いですが、単純に胃にもたれるのが嫌いです。胃もたれは、小麦粉だけでなく油も関与していると思うので、小麦粉だけが悪いとは言えません。

グルテンフリーもいいけど、油の事を考えた方が良いのでは?

そう、グルテンフリーが当たり前になりつつある今、課題だと思っているのは「油」の存在です。

実は、カレーに油は欠かせない存在なんです。なぜかというと、カレーを構成する「スパイス」は脂溶性のものが多く、油で加熱することによりカレーに必要な香りを油に移すからです。

つまり、油がないとカレーの香りは生かされないのです。

しかし、油が多いと胃腸に負担がかり、胃がもたれます。更にトランス脂肪酸の「サラダ油」などは体に毒であり、これこそ「疾患のリスク」がありとても危険です。

外食では、そのお店がどの種類の油を使っているかわかりません。コストを抑えるためにトランス脂肪酸系の油を使っているお店も多いと思います。心配な方は注文する前に聞いてみるのも良いかもしれませんね。

理想のスパイスカレーは、美味しい健康食

僕が考える理想のカレーは、油を最小限に抑え、使う油は体に害の無い油とし、スパイスの香りを補完するために旨味を加える。という感じです。

実際、当店で提供しているカレーは、油を最小限にまで減らし、使う油は肉本来の油とオリーブオイルです。スパイスの香りを補完するために、玉ねぎ、トマトなどをじっくり炒めて旨味を引き出したり、鶏ガラの旨味を加えたりしています。

小麦粉を使わず、油も最小限に抑えているので胃腸の負担が減りスパイス・ハーブが体にもたらす薬膳効果も最大限に発揮されると考えています。まさに、昨今のブームである健康食ですね。
これまでは、「カレーはカロリーが高い」と考えられてきた常識はスパイスカレーには当てはまらなくなっているのです。むしろ、スパイスの効果によりダイエット効果が期待できるかもしれません。

カレーは、日本の重要な食文化に成長して、現代では様々な種類のカレーが存在しています。選ぶ側も味や安全性、健康面など色々な角度から厳選して選ばなければなりません。ただ美味しければ良い時代ではないのです。お店として自信をもって提供できる、美味しくて安全なカレーがもっともっと普及していくと良いですね。